ボクシングの〝日本史上最強モンスター〟井上尚弥選手が、今春にもダスマリナス選手とタイトル戦を行う可能性が浮上、ファンとしては「今度は何RでKO?」と試合決定が期待されます。
さてダスマリナス選手は左構えのサウスポー。右構えの井上選手とは逆です。ところでなぜ左構えの選手を「サウスポー」と呼ぶのでしょうか。サウスポーの反対語は?サウスポーの意味や優位性、スポーツ選手の何割位がそうなのか、などを調べてみました。(出典:Wikipedia、各スポーツメディア)

目次
サウスポーの反対語は?その意味とは?
まずはサウスポーの言葉の意味や語源は何でしょうか。英和辞書などによるとこれは英語の「southpaw」のこと。意味は「左腕投手、左ききの選手、左ききのボクサー」と主にスポーツ選手の利き腕を示す言葉です。
「south」は英語で南、「paw」は動物の前足を意味。つまり直訳すると「南側の足」ですが、それがなぜ「左利き」を指すのでしょうか。一説には昔米国の野球場では、午後の日差しが観戦の妨げにならないよう、マウンドに立つ投手の左腕側が南になるように設計されていたからだとされます。あるいは米南部出身の投手は左腕が多かったため、との説もあるなど、正確な語源は分かってないそうです。

英語では、左利きのことを「サウスポー」のほか「left handed」「lefty」とも呼びます。その反対語は「right handed」。いわゆる「サウスポー」に相当する「右利きの人」というオリジナルな言葉はありません。
スポーツでサウスポーというと主に「野球の左投手」を指すことが多いといえます。野球でも、投手から見て左側の打席に立つ打者は「サウスポー」とは言わず、単に「左打者」「左打ち」と呼ばれます。
一方ボクシングでは左構えの選手を「サウスポー」と言います。ボクシングの場合、サウスポーの反対語である右構え選手のことは「オーソドックス(正統派)」と呼ぶのが一般的です。それだけサウスポーは数が少ないということでもあるのでしょう。

サウスポーはなぜ有利と言われる?
野球やボクシングの右利き選手の〝反対語〟を意味するサウスポー。さて野球ではとりわけ「サウスポーや左打者は有利」と言われますが、それはなぜなのでしょうか。
一般に、生まれつき左利きの人は人口の10%程度しかいないとされます。このため人間社会では「右利き前提」でできているルールが多いのが実態。例えばドアノブや手すりの位置、紙に文章を書く方向などです。
左投手はなぜ有利?
スポーツのルールも右利き基準の場合はサウスポーは不利になりますが、逆に「レア」なだけに対策などがとりにくく、それが強みになることも。野球の場合は有利不利が顕著です。
まず投手は、右利きの人が圧倒的なことから右投げがほとんど。現代プロ野球でも左腕は30%ほどといわれます。それだけに左腕投手は貴重で、活躍できるチャンスが多いともいえます。
左腕投手は後述するようにプロでは多数派の左打者に強いとされます。特にサイドスローの左腕は球の軌道が見にくく、背中から来るように思えるためしばしば「左キラー」の切り札に登板することも。また一塁への牽制も、正面を向いたまま走者を警戒し送球できるため、右腕と比べかなり有利です。

https://twitter.com/MLBJapan/status/1309758604849807361
左打ちはなぜ有利?
一方、打者は投手よりはるかに左打ちが多いのが実態。一説には今のプロ選手の半数強が左打者だとされます。投げるより打つ方が左に転向しやすい上に、野球では左打者が有利だからです。
左打者は、投手では多数派の右腕の球を見やすくなります。また左打席は2mほど右打席より一塁に近いため、打った後一塁により早く到達できます。イチロー氏ら俊足巧打の選手は特に左が有利となります。
逆にデメリットは?
反対に野球の野手の場合、左投げだと守備位置が限定されます。三塁、遊撃手などでは左投げだと右投げより送球動作がワンテンポ遅れるほか、捕手も三塁走者が走り込んできた時、左投げではタッチが遅れたり怪我の恐れがあるからです。
このため近年の少年野球では、親や指導者の勧めもあるのか「右投げ左打ち」を選択し、練習する選手が非常に多くなっているそうです。

ボクシングでは有利?不利?
またプロボクシングでも、世界王者のうちサウスポーは15%程度との調査もあるなど少数派です。理由は右利きが多いことのほか、右の相手と対峙したときに「喧嘩四つ」になり「ジャブが打ちにくい」「パンチが遠くなる」ため。またボディの弱点である右脇腹の「レバー(肝臓)」をさらしてしまう危険もあるとされます。
ただ右構え選手ばかりなだけに普段「サウスポー対策」はあまりできないこともあり、苦手とする右構え選手も多いといいます。このため左右どちらの構えもできるスイッチヒッターも最近は増えてきているようです。
サウスポーへのみんなの反応
みんなの反応
当方サウスポーなので右投げの人見てるとムズムズする
ネットの感想
昨日ヤンキーにカーフ蹴ってやろうと思ったらサウスポーに構えられて詰みました…
みんなの反応
甲子園で攻撃側が「サウスポー」を演奏するのはどうなん?と毎年思ってしまう俺
ネットの感想
どうぶつの森で村名を「サウスポー村」にすると主人公が左利きになる
みんなの反応
利き腕の右腕を壊してサウスポーに転向して、メジャーにまで上り詰めた茂野吾郎にはほんと感動した!
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- 左利きの選手を意味するサウスポー。英語で「南側の足」が語源
- 反対語はなく「右投げ、正統派」など。野球では左腕投手を指す
- 少数派で野球では強み・利点も多いがボクシングでは不利な部分も
最近の高校野球を見ると「右投げ左打ち選手」ばかりな印象なのは、今回ご紹介した野球の特質が理由のようです。ただ興味深い「エビデンス」も。昨季のプロ野球打撃上位選手を見ると、本塁打ではセの岡本、鈴木などトップ5中3人が右打者。パも浅村、中田ら3人が右。
一方で打率上位ではセパともほぼ全員が左打者です。長距離打者では球を打つ瞬間に利き腕で押し込む動作が重要で、右利きの場合右打ちの方がパワーが出て飛距離も生まれるため、本塁打ランク上位には右打ちが多い模様。一方ヒットを数多く打つアベレージヒッターの場合、一塁に近い左打ちが多いという違いが、如実に出ているようです。
