時事ニュース

音楽教室は著作権料いくら徴収?JASRACに裁判で負けどうなる?

JASRAC敗訴で音楽教室での演奏にもまさかの著作権料の徴収が!とネットが炎上しています。
いくら徴収されるのでしょう。
これまでの裁判の経緯と敗訴の理由についてまとめ、今後の展開を予測してゆきます。

うちの子の教室の授業料も上がるの?

音楽教室は著作権いくら徴収される?

この判決が確定すれば、音楽教室は著作権いくら徴収されるのでしょうか?
JASRACのHPには、
音楽教室における演奏等として

楽器教室、歌謡教室その他の受講者に楽器演奏又は歌唱等を教授する事業を行う施設において、当該事業とともに著作物を演奏等する場合の使用料は、・・・次により算出した金額に、消費税相当額を加算した額とする。

年間の包括的利用許諾契約を結ぶ場合の1施設あたりの年額使用料は、受講料収入算定基準額の 2.5/100 の額とする。

と記されています。

例えば、ヤマハ音楽教室の小学生ジュニアスクールエレクトーン教室の場合
グループ60分 月3回 ステップ 7000円~9000円

大雑把に、受講者1月あたり10000円とすると、2.5%が上乗せされて、1月あたりでは10250円となります。

但し、JASRACが管理する楽曲についてですので、著作権が切れたクラシック音楽のみを演奏する分には、徴収できないことになります。

まあそれほど多いとは言えないが、消費税UPより多いか

JASRACに裁判で負けた経緯

JASRACが、フィットネスクラブ、カルチャーセンター、ダンス教室、歌謡教室などから2011年から2016年にかけて、使用料の徴収を開始してきた。
ヤマハ音楽振興会など音楽教室を運営する楽器メーカーに利用許諾手続きを求めたが、合意を得られなかった。

2017年 音楽教室事業者で構成される「音楽教育を守る会」が設立
2017年2月 JASRAC はJASRACが管理する楽曲の著作権使用料を徴収すると表明し。使用料を年間の受講料収入の2.5%などと定めた。「音楽教育を守る会」以外の一部事業者(少数)から既に徴収を始めた。
2017年6月7日 JASRACが音楽教室での演奏等に関する使用料規程を文化庁長官に届け出る。
2017 年 6 月 20 日 音楽教室事業者がJASRACを被告とし、「音楽教室での音楽著作物の演奏利用について、JASRACに著作権使用料の徴収権がない」との確認を求め、東京地方裁判所に提訴した。

では、原告の主張をまとめてみましょう(「音楽教育を守る会」のHP参照)。
争点は著作権法の「公衆」「聞かせることを目的として演奏する」に該当するか?著作権法の立法の目的である「文化の発展に寄与すること」に反しないかです。

著作権法22条

著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

著作権法第1条

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

原告は次のように主張しました。
音楽教室で教師や生徒が演奏することは、
(1)「公衆」に対する演奏ではない
(2)音楽教室での教師の演奏、生徒の演奏いずれも音楽を通じて聞き手に(コンサートのような)官能的な感動を与えることを目的とする演奏ではなく、「聞かせることを目的」とはしていない。
(3)民間の音楽教室という社会教育なくして音楽文化の発展はあり得ず、著作権法の立法目的である「文化の発展に寄与する」にそぐわない
(裁判の経緯)
2017 年 9 月 6 日 第 1 回口頭弁論 JASRAC理事長浅石道夫の意見陳述
2019 年 7 月 9 日 第 2 回口頭弁論 JASRAC会長いではく等の証人尋問
2019 年 12 月 13 日 第 3 回口頭弁論 審理終結
2020 年 2 月 28 日 請求棄却判決を言渡し(音楽教室側の敗訴)

請求棄却判決の理由(JASRACのHP参照)
・音楽教室における音楽利用の主体は、教師または生徒ではなく、音楽教室事業主である。
・利用主体である音楽教室事業主からみて、生徒は著作権法にいう「公衆」に当たる聞き
手であるから、音楽教室で行われる演奏は「公の演奏」である。
(注:誰でも生徒になれて、生徒は全体としては多数なので、教室内での演奏でも「不特定多数」に向けた演奏であり、公衆であるとの解釈)。
・著作権法22条の「聞かせることを目的」とする演奏
教師の演奏は、生徒に対して「聞かせることを目的」とすることが明らか。生徒の演奏は、自らの演奏及び他の生徒の演奏を注意深く聞くことによって演奏技術を向上させるためのものであるから、「聞かせることを目的」とすることが明らか。

今後は、判決を認め、支払いに応じるか、判決を不服として高等裁判所に控訴するかしかありません。
控訴するにしても、勝てるかどうかを慎重に検討する必要があります。

一般常識と法律の解釈はずいぶん違うのね!

JASRACに敗訴・みんなの反応は?

みんなの感想

JASRACの権益は最低限守るべきだが、流石に拡大しすぎでは?演奏の練習でも金取るってことになるのでは。そこらへんはどうなるのか。

ネットの反応

こりゃあもう、JASRACに登録していない曲を使うしか方法が無いなあ。
酷い時代だな、元々は作詞者・作曲者の権利を守るためのものだったはずなのに、それを拡大解釈して演奏者の権利をないがしろにするんだから。

みんなの感想

控訴すべし。裁判で敗れたら、音楽教育に賛同する有志の作曲家を集めて、教育に限定した著作権フリーの管理団体を作れば良い。負けるな!

ネットの反応

音楽家の芽まで摘むのか・・・。著作権料は必要と思うが、これは音楽の繁栄の妨げの気がしてしまう。
音楽って自由への憧れのひとつの形と思うのですよ。

みんなの感想

作曲者への利益還元、つまり、著作権料は、大事だが、さすがに、音楽教室まで徴収するのは、やり過ぎ。

出典:ヤフコメ
判決を支持する声は全くありません。

まとめ

ココがポイント

  • 音楽教室はJASRACから著作権料として受講料収入の2.5%を徴収される。
  • 敗訴により、音楽教室側は控訴するか、判決を認めて、著作権料を支払うかである。但し、控訴の場合でも、判決理由を詳細に検討し勝てることを見極める必要がある。
  • ひどすぎる判決、音楽家の芽をつむのかなど、コメントは批判にあふれています。

感情的には、音楽教室まで、著作権料を徴収するのか?と言いたくなりますが、あくまで、裁判所は、法律の条文の解釈に従って判決を出します。

原告「音楽教育を守る会」の主張は少々甘いのではと思われます。

1.音楽教室での教師の演奏、生徒の演奏いずれも音楽を通じて聞き手に官能的な感動を与えることを目的とする演奏
22条には、「聞かせることを目的」としか書かれておらず、「官能的な感動を与えることを目的とする」とは書いていない

2.「公衆」とはなにかについても、著作権法での「公衆」とは、「不特定の人」はもちろん「特定多数の人」を含むと定義されています(第2条第5項)ので、特定の少数の場合のみ、公衆ではないと言えます。誰でも申し込めば入れる音楽教室は不特定の多数であり、法律的には「公衆」と言わざるをえないと考えられます。

以上から考えますと、もっと細かく詰めるとか別の論理を考えない限り、控訴してもなかなかこの判決をひっくり返すのは簡単でないように感じます。

なかなか難しいものね!

-時事ニュース

Copyright© テニスマニア1 , 2020 All Rights Reserved.