「錦織弱くなった」なぜか当サイトにこの検索ワードで多く来ます。
そんな記事書いてないですが(笑
しかし、それだけ需要が高いことなのだと判断し、具体的な数字で2014年等と比べ
錦織圭選手が本当に弱くなったのか、どうなのか、数字的に証明してみようという試みをしてみた結果
筆者も驚く「あること」が明るみになった。
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錦織は弱くなったのか?
2017年7月現在、元々苦手とされていたサーフェスである芝のウィンブルドンでアグートに3回戦で負け
ヤフコメなんかも「錦織にもう期待しない」「弱くなった」「彼女がどうだこうだ」「プライベートがどうだこうだ」と
今までになかった見切り感みたいな声がかかれるようになって、応援している身としても寂しくなる。
明らかにランクも10位を割りそうで、2014年以降の期待が高まった後、最悪の時期と言えるのかもしれない。
錦織は本当に弱くなったのか?
感覚ではなくそれを数字で答えてみようと思う。
ATPには選手それぞれの細かい数字がストックしてあるので、それらから答えを探ってみよう。
まずはサーブだ
錦織のサーブは弱くなったか?
年 | ランク | rating | 1stサーブ入る確率 | 1stでのポイント | 2ndでのポイント | サービスゲームでの勝利 | 1ゲームあたりの平均エース | 1ゲームあたりのダブルフォルト |
ここ52週 | 35位 | 268.4 | 61.3% | 71.5% | 53.9% | 80.8% | 3.3 | 2.3 |
2016 | 29位 | 272.4 | 60.8% | 72.1% | 55.3% | 83.1% | 3.3 | 2.3 |
2015 | 28位 | 277.3 | 59.9% | 74.8% | 54.7% | 85.8% | 4.6 | 2.5 |
2014 | 31位 | 272.9 | 60.4% | 73.4% | 53.7% | 83.9% | 4.3 | 2.8 |
注意:ランクというのは、サーブの総合の数字(rating)におけるランク
サーブに関しては、若干数字は下がっている。わずかに悪くなっていると言える。1stサーブが少し入るようになってはいるが、サービスゲームでの勝率が落ちているのが気になる。ピークよりも5%は大きい。エースも1本落ちているのは気になるが、そこまで大きな落ちではない。
錦織のリターンは弱くなったか?
年 | ランク | raitng | 1stのリターンでのポイント率 | 2ndリターンでのポイント率 | リターンでの勝率 | ブレークポイントをものにできた率 |
ここ52週 | 7位 | 160.2 | 30.4% | 54.8% | 31.1% | 43.9% |
2016 | 8位 | 158.0 | 30.6% | 54.3% | 30.2% | 43.0% |
2015 | 14位 | 150.3 | 30.2% | 53.6% | 26.6% | 39.8% |
2014 | 13位 | 152.9 | 30.0% | 53.4% | 27.6% | 41.9% |
これを見ると、「リターンは良くなっている」と言える。2014年よりもかなり改善されていて、特にリターンゲームでの勝率がかなりよくなっている。ブレークポイントを落とすことも少なくなっている。
最後に、「UNDER PRESSURE RATING」つまり「プレッシャー下での数字」を見てみよう。これが面白い数字を示している。
錦織の精神は弱くなったか?
年 | ランク | rating | BREAK POINTS CONVERTED | BREAK POINTS SAVED | タイブレーク勝利率 | ディサイディングセットの勝率 |
ここ52週 | 16位 | 231.4 | 43.9% | 65.2% | 54.2% | 68.2% |
2016 | 4位 | 248.1 | 43.0% | 67.4% | 64.0% | 73.7% |
2015 | 23位 | 218.7 | 39.8% | 64.1% | 40.9% | 73.9% |
2014 | 1位 | 259.0 | 41.9% | 64.2% | 65.5% | 87.5% |
注:BREAK POINTS SAVED:ブレイクポイントを握られたがなんとかセーブした率
注:ディサイディングセットの勝率:このセットを獲れば勝ち、というセットでの勝率
2014年のディサイディングセットの勝率は「歴代」において1位でありました。つまり錦織の強さは「ここで決めなければいけない」というセットにおいて9割近く決めていた「ここぞという時にやる力」が高かったからこそ、強いと言えたのですが、
なんと直近では2014年の「19%」も勝率を落としているというのが、おそらく「弱くなった」という声の決定的なものかと思われます。
まとめ
上記のことからわかることは以下です。
・サーブはそこまで大きな変化はない。多少落ちているかというくらい
・リターンはむしろ上がっている。勝率が大きく改善している
・2015年はもっとひどいが、タイブレークを落とす確率も若干あがっている。
・決定的なのは「ディサイディングセットの勝率」かつてが歴代1位という異常値過ぎたのか。
それとも精神的に何か弱くなったのか、19%も落としている。
これらのことから、最近「弱くなった」と言われる原因は「精神的なもの」と言われるのは否定できないことです。
神的な存在の錦織選手にこんな結論を言うのは非常に僭越で、もっと弱い自分がいうのも申し訳ない気持ちでいっぱいではありますが
数字を見る限り、「ここぞ」という時に取れなくなっているから、ランキングが落ちていると確実に言えるものが出ています。
巷で「彼女がどうのこうの」と言われていますが、やはりそれによって勝利への飢えた執着心が弱まってしまったのでしょうか...。
それでも、体格で劣る日本人がGSで優勝する姿を見る、初の瞬間の可能性を唯一持った錦織選手に
私たちは期待せざるを得ません。
いろいろあると思いますが、その才能を余すことなく最高に発揮していただきたいところであります。