現地時間の19日、米コネチカット州でWBC世界バンタム級暫定王座決定戦「エマヌエル・ロドリゲス vs レイマート・ガバリョ」が行われ、2-1の僅差判定で急きょ〝登板〟したガバリョ選手が勝利し、暫定王者となりました。
試合後「ロドリゲスが勝っていた」「疑惑の判定」の声が噴出しているガバリョ暫定王者。その戦績や強さをあらためて振り返るとともに、かつて行ったとされる「井上尚弥とのスパーリングはどうだったのか?」も調べてみました。(出典:Wikipedia、各スポーツメディア)
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ガバリョの戦績と強さ
プエルトリコ出身の元IBFバンタム級王者ロドリゲス選手は、昨年5月にWBSS準決勝で井上尚弥選手にわずか2Rで圧倒的TKO負けを喫したことで日本のファンにもお馴染み。
このほど再起をかけて、やはりWBSSで井上選手に敗れた5階級制覇王者ドネア選手と対戦するはずでしたが、直前にドネア選手にコロナ陽性反応が出たため、急きょ代役にWBA同級1位で元WBA暫定王者でもあるガバリョ選手(フィリピン)が指名されました。
試合は、手数と積極性ではガバリョ選手が上に見えましたが有効打は少なく、逆にロドリゲス選手は的確なカウンター攻撃で相手をぐらつかせるラウンドが目立つ展開に。結局判定となり、ジャッジは2人が116-112、115-113でガバリョ優勢、1人は118-110でロドリゲス優勢と分かれる僅差で、辛うじてガバリョ選手が新暫定王者となりました。
https://twitter.com/nacionboxeo/status/1340519473070153728
ではこのガバリョ選手、どんな戦績や強さの持ち主なのかあらためてまとめてみました。
ガバリョのプロフィール
本名 | レイマート・グランデ・ガバロ(ガバリョ) | |
---|---|---|
通称 | 暗殺者 | |
出身 | フィリピン ポロモロク | |
国籍 | フィリピン | |
誕生日・年齢 | 1996年8月24日生まれ | |
身長 | 168cm | |
リーチ | 173cm | |
アマ戦績 | 記録なし | |
プロ戦績 | 25戦 24勝 (20KO) 1敗 | |
デビュー | 2005年10月29日 | |
経験階級 | バンタム級 スーパーバンタム級 | |
利き手 | 右 | |
タイプ | オーソドックス | |
KO率 | 83.3% | |
その他 | 井上尚弥のスパーリング相手 井上を最高のボクサーと賞賛している |
ガバリョの戦績
戦目 | 日付 | 結果 | 相手 | 結果 | ラウンド、時間 | 対戦相手の 当時の戦績 勝 負 分 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
25 | 2021-12-11 | 敗北 | ノニト・ドネア | KO | 4R 2:59 | WBC世界バンタム級王座統一戦 |
|
24 | 2020-12-19 | 勝利 | エマヌエル・ロドリゲス | SD | 12 | 19 1 0 | 空位のWBC暫定バンタム級タイトルを獲得 |
23 | 2019-12-14 | 勝利 | Kongfah Nakornluang | TKO | 6(10)、2:56 | 32 2 0 | |
22 | 2019-08-31 | 勝利 | Yeison Vargas | TKO | 3(10)、2:04 | 17 1 0 | |
21 | 2019-02-09 | 勝利 | 中村祐也 | TKO | 2(10)、1:44 | 9 2 1 | |
20 | 2018-09-30 | 勝利 | ジュリアス・キサラウェ | TKO | 1(10)、2:25 | 29 6 1 | |
19 | 2018-03-23 | 勝利 | ステファン・ヤング | UD | 12 | 17 0 3 | 空位のWBA 暫定 バンタム級タイトルを獲得 |
18 | 2017-11-26 | 勝利 | ユリシーズリベロ | TKO | 6(6)、0:59 | 2 2 0 | |
17 | 2017-11-15 | 勝利 | エルネストゲレロ | TKO | 2(10)、1:58 | 27 21 0 | |
16 | 2016-12-04 | 勝利 | ジャーソン・ルザリート | TKO | 2(8)、0:34 | 8 6 3 | |
15 | 2016-09-10 | 勝利 | マノット・コンプト | KO | 1(12)、1:49 | 11 14 0 | 空位のWBC - ABC スーパーバンタム級タイトル |
14 | 2016-06-26 | 勝利 | ジロ・マーリン | KO | 4(8)、1:55 | 13 26 2 | |
13 | 2016-04-30 | 勝利 | マーロンアルシラ | TKO | 1(6)、1:01 | 8 4 0 | |
12 | 2016-02-13 | 勝利 | ブライアンサムソン | KO | 1(8)、1:28 | 5 5 0 | |
11 | 2015-11-27 | 勝利 | ロムロラーマーヤナジュニア | KO | 1(8)、2:39 | 6 5 3 | |
10 | 2015-09-26 | 勝利 | Frejun Dela Cruz | TKO | 1(6)、2:33 | 2 5 1 | |
9 | 2015-06-07 | 勝利 | ロッキーアルバレス | TKO | 1(6)、2:09 | 2 4 0 | |
8 | 2015-03-08 | 勝利 | マイケル・パダヤグ | TKO | 1(6)、1:49 | 3 3 1 | |
7 | 2015-01-17 | 勝利 | パウロペロノ | UD | 6 | 2 5 0 | |
6 | 2014-11-27 | 勝利 | Rodel Garde | UD | 4 | 0 10 1 | |
5 | 2014-09-13 | 勝利 | ザルディジョーダンジュニア | TKO | 2(4)、1:26 | 1 4 0 | |
4 | 2014-07-02 | 勝利 | ジョージ・アウギス | TKO | 1(4)、0:47 | デビュー | |
3 | 2014-05-24 | 勝利 | ブライアンデイブカスンパン | KO | 1(4)、0:40 | デビュー | |
2 | 2014-03-20 | 勝利 | ジェイソンエンガラン | TKO | 1(4)、1:23 | 0 1 0 | |
1 | 2014-02-02 | 勝利 | ケビンカボナレス | TKO | 1(4)、0:27 | デビュー |
依然無敗を続けるフィリピン期待の若手プロスペクト、ガバリョ選手。一気にバンタム戦線に名乗りを上げた形で、今後井上尚弥選手の対戦相手になるのか、マッチングが注目されます。
ガバリョと井上尚弥のスパーリングはどうだった?
戦績と強さをご紹介した暫定王者ガバリョ選手ですが、実は以前、井上尚弥選手のスパーリング相手を務めたことがあるといいます。その際はどんな内容だったのでしょうか。
各メディアによると、ガバリョ選手は数年前、井上尚弥選手のスパー相手に大橋ジムに招かれたとのこと。権威あるボクシングメディア「ザ・リング」によれば、ガバリョ選手はアマキャリアは少ないものの「他のやり方で経験を積んでいた」と指摘。井上選手のほか山中慎介氏やリゴンドー選手ら王者とのスパーリングを重ねたのもその一つだそうです。
同誌によればガバリョ選手は「今までスパーをした選手の中ではイノウエが一番」と話し、尚弥選手の動き、スピード、パワーを称賛したということです。
また「THE ANSWER」は「ガバリョは数年前に井上尚弥のスパー相手として来日した際、ボコボコにされていた。現在の実力では、攻守共にガバリョは井上の相手にはならないだろう」とも書いています。
動画などは見つかりませんでしたが、井上選手の世界戦前には多くのフィリピン選手が度々招かれ「仮想敵」として練習相手になっており、ガバリョ選手も恐らく20代初め頃「尚弥の洗礼」を浴びた一人だと思われます。果たして今後、両者が世界戦のリングで交わることがあるでしょうか。
https://twitter.com/naoyainoue_410/status/1337222239993794560
ガバリョの海外の評価まとめ
みんなの反応
ロドリゲスにはちょっと気の毒な試合になったな
ネットの感想
短いトレーニングと準備にもかかわらず、ガバリョはうまくやった
みんなの反応
ガバリョはパワー、スタミナだけでなく防御も改善する必要がある
ネットの感想
フットワークという意味ではパックマンを見習わないといけない
みんなの反応
ロドリゲスはガバリョを疲れさせてポイントを得ようとしたのだろうが、失敗だったな
出典:YouTube
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- WBCバンタム暫定王座戦「ロドリゲスvsガバリョ」はガバリョ薄氷勝利
- 無敗、高KO率のガバリョ。手数多かったものの「疑惑の判定」論噴出
- 数年前井上尚弥とスパーしボコられ説も。本人談「彼が今までで一番」
勝敗で物議を醸している「ロドリゲスvsガバリョ」戦。両選手とは縁が深い関係とあってか、この試合、珍しく井上尚弥選手自身がTwitterで「採点実況」を行いました。
まず「さぁて帰ってロドリゲスの試合観るか!!!判定がおかしいって声が多いから採点付けながら観てみよう!採点付けるの苦手だけど、、(苦笑)」とつぶやいて試合開始。
1R ロドリゲス
2R ガバリョ
3R ロドリゲス
4R ロドリゲス
5R ロドリゲス
6R ガバリョ
7R ガバリョ
8R ガバリョ
そして9Rから最終12Rまではすべてロドリゲス、という判定に。この結果、「井上尚弥ジャッジ」の採点は「116-112でロドリゲス勝利」となりましたが、「でも難しい試合だった」と率直な感想も。
出典:http://beta.compuboxdata.com/
「人が採点するスポーツだからこそこうゆう結果になる事もある。ロドリゲスは消極的だったし現地とテレビでは印象的にも変わる事がある。勝ちたければ明確に文句の付けようがないくらいの戦いをしなければ。勉強になった。。」と最後にツイートし、自らの試合にも生かしたいと締めくくっていました。
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