ボクシングのWBC世界ヘビー級タイトルマッチ「王者デオンテイ・ワイルダーvsタイソン・フューリー」の再戦が、2月に行われます。
僅差の引き分けで辛うじて王者が防衛に成功した初戦から1年あまり。2度目の勝負ではっきり白黒がつくのでしょうか。
フューリー選手は現在無冠の挑戦者ながら、実はワイルダー選手より「PFP」が上の時期がありました。それはなぜなのか。今回は、フューリー選手の強さや戦績一覧を改めて振り返ってみましょう。
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フューリーの戦績一覧
英国出身、31歳のフューリー選手。アマボクサーから08年にプロ転向。206cmの巨体から生まれるパワーとスピードを武器に、15年にはWBAスーパー・IBF・WBOの主要3団体統一のヘビー級王座を一気に獲得する強さを誇りました。
戦績は29戦28勝(21KO)1分け。10年以上のヘビー級キャリアで負け知らず、唯一の引き分けが18年のワイルダー戦でした。
フューリー選手の戦績一覧は以下の通りです。
戦 | 日付 | 勝敗 | 対戦相手 | 対戦相手国籍 | 時間 | 内容 | 備考・会場 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
36 | 2024年5月18日 | 敗北 | オレクサンドル・ウシク | ウクライナ | 12R | 1-2 | WBA・WBC・IBF・WBO世界ヘビー級王座統一戦 WBC陥落 |
35 | 2023年10月28日 | 勝利 | フランシス・ガヌー | カメルーン | 10R | 2-1 | ヘビー級10回戦 |
34 | 2022-12-03 | 勝利 | デレック・チゾラ | イギリス | 10R 2:51 | TKO | WBC防衛3 |
33 | 2022-04-23 | 勝利 | ディリアン・ホワイト | イギリス | 6R 2:59 | TKO | WBC世界ヘビー級王座統一戦/WBC防衛2 |
32 | 2021-10-09 | 勝利 | デオンテイ・ワイルダー | アメリカ合衆国 | 11R 1:10 | KO | WBC防衛1 |
31 | 2020-02-22 | 勝利 | デオンテイ・ワイルダー | アメリカ合衆国 | 7R 1:39 | TKO | WBC世界ヘビー級タイトルマッチ WBC・リングマガジン王座獲得 |
30 | 2019-09-14 | 勝利 | オットー・ワーリン | スウェーデン | 12R | 判定3-0 | |
29 | 2019-06-15 | 勝利 | トム・シュワルツ | ドイツ | 2R 2:54 | TKO | WBOインターコンチネンタルヘビー級タイトルマッチ |
28 | 2018-12-01 | ドロー | デオンテイ・ワイルダー | アメリカ合衆国 | 12R | 判定1-1 | WBC世界ヘビー級タイトルマッチ |
27 | 2018-08-18 | 勝利 | フランチェスコ・ピアネタ | イタリア | 10R | 判定 | |
26 | 2018-06-09 | 勝利 | セフェル・セフェリ | アルバニア | 4R 終了 | TKO | |
25 | 2015-11-28 | 勝利 | ウラジミール・クリチコ | ウクライナ | 12R | 判定3-0 | WBA・IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチ WBA・IBF・WBO・IBO・リングマガジン王座獲得 |
24 | 2015-02-28 | 勝利 | クリスチャン・ハマー | ドイツ | 8R 終了 | TKO | WBOインターナショナル防衛1 |
23 | 2014-11-29 | 勝利 | デレック・チゾラ | イギリス | 10R 終了 | TKO | EBU欧州・WBOインターナショナルヘビー級タイトルマッチ BBBofC英国ヘビー級王座決定戦 |
22 | 2014-02-15 | 勝利 | ジョーイ・アベル | アメリカ合衆国 | 4R 1:48 | TKO | |
21 | 2013-04-20 | 勝利 | スティーブ・カニンガム | アメリカ合衆国 | 7R 2:55 | KO | |
20 | 2012-12-01 | 勝利 | ケビン・ジョンソン | アメリカ合衆国 | 12R | 判定3-0 | |
19 | 2012-07-07 | 勝利 | ビニー・マダロン | アメリカ合衆国 | 5R 1:35 | TKO | WBOインターコンチネンタルヘビー級王座決定戦 |
18 | 2012-04-14 | 勝利 | マーティン・ローガン | アイルランド | 5R 終了 | TKO | アイルランドヘビー級王座決定戦 |
17 | 2011-11-12 | 勝利 | ネベン・パイケッチ | カナダ | 3R 2:44 | TKO | コモンウェルス防衛1 |
16 | 2011-09-18 | 勝利 | ニコライ・フィルサ | アメリカ合衆国 | 5R 2:19 | TKO | |
15 | 2011-07-23 | 勝利 | デレック・チゾラ | イギリス | 12R | 判定3-0 | BBBofC英国・コモンウェルスイギリス連邦ヘビー級タイトルマッチ |
14 | 2011-02-19 | 勝利 | マルセロ・ルイス・ナシメント | ブラジル | 5R 2:48 | KO | |
13 | 2010-12-19 | 勝利 | ザック・ペイジ | アメリカ合衆国 | 8R | 判定3-0 | |
12 | 2010-09-10 | 勝利 | リッチ・パワー | アメリカ合衆国 | 8R | 判定 | |
11 | 2010-06-25 | 勝利 | ジョン・マクダモット | イギリス | 9R 1:08 | TKO | BBBofC英国ヘビー級王座決定戦 |
10 | 2010-03-05 | 勝利 | ハンス=イェルク・ブラスコ | ドイツ | 1R 2:14 | TKO | |
9 | 2009-09-26 | 勝利 | トマス・ムラゼク | チェコ | 6R | 判定 | |
8 | 2009-09-11 | 勝利 | ジョン・マクダモット | イギリス | 10R | 判定 | BBBofC英国ヘビー級王座決定戦 |
7 | 2009-07-18 | 勝利 | アレクサンドルス・セレゼンス | ラトビア | 3R 0:48 | TKO | |
6 | 2009-05-23 | 勝利 | スコット・ベルショー | イギリス | 4R | 判定 | |
5 | 2009-04-11 | 勝利 | マシュー・エリス | イギリス | 1R 0:48 | KO | |
4 | 2009-03-14 | 勝利 | リー・スワビー | イギリス | 4R 終了 | TKO | |
3 | 2009-02-28 | 勝利 | ダニール・ペレティアコ | ロシア | 2R 終了 | TKO | |
2 | 2009-01-17 | 勝利 | マルセル・ツェラー | ドイツ | 3R 2:50 | TKO | |
1 | 2008-12-06 | 勝利 | ベラ・ジェンジェシ | ハンガリー | 1R 2:14 | TKO | プロデビュー戦 |
フューリーがワイルダーよりPFPが上の時があった理由
現WBC王者のワイルダー選手はフューリー選手より3つ年上ですが、北京五輪銅メダルに輝いたアマ時代を経てプロ入りしたため、デビューは08年で同じ。
戦績はフューリー選手より圧倒的に多く、44戦42勝1敗1分け。やはり「フューリー1」戦での引き分け以外はこれまで負けなしなうえに、KO率97%という驚愕のハードパンチャーでもあります。
フューリー&ワイルダーの最新PFP
この二人について、現在のボクシング専門メディアによるPFP(パウンド・フォー・パウンド、階級や団体を超えた強弱ランキング)評価は以下のようになっています(13日現在)。
【ザ・リング】
<ヘビー級>1位 フューリー、2位 ワイルダー (「PFP TOP10」には両者とも入らず)
【WBN】
<ヘビー級>1位 ワイルダー、2位 フューリー
<PFP TOP50>10位 ワイルダー、11位 フューリー
【ESPN】
<ヘビー級>1位 ワイルダー、3位 フューリー
<PFP TOP10>9位 ワイルダー (フューリーはランク外)
過去にはフューリーが上だった理由
現時点では「ザ・リング」以外のメディアでは、WBCで10回の防衛を重ね、昨年11月にも「対オルティス2」で鮮やかなKO勝ちを収めたワイルダー選手の評価が上ですが、過去には長くフューリー選手が上位の時期もありました。
3団体統一王座獲得後や、18年の「ワイルダー1」で引き分けた頃もフューリー上位。この理由はボクサーとしての完成度の高さにあるとされます。
ワイルダー選手は前戦のように、多少劣勢でも1撃で相手を大逆転で倒せる〝超絶強打〟が最大の武器。一方フューリー選手は巨体からは想像できない程俊敏なフットワーク、ジャブなどの技術に優れ、勿論パワーも十分。
フルラウンド変わらない防御力、スタミナ、タフさや、ダウンしても動じず闘う強い精神力も高く評価されています。
専門メディアでは最高権威の「ザ・リング」が今でも「フューリー上位」を変えないのは、戦績に加え、このようなボクサーとしての総合力を評価しているためと思われます。
フューリーのみんなの評価・反応
みんなの感想
フューリーみたいな長身選手が好き。リードジャブだけ打ってりゃ判定勝ちしそうなところも(ワイルダー以外 笑)
ネットの反応
「ワイルダーには対応不可能だ」フューリー陣営が“世紀の再戦”KO勝ちを断言
みんなの感想
これでヘビー級最強が決まるだろうね。ジョシュアでは今のワイルダーは倒せないだろう
ネットの反応
ワイルダー、フューリーは2m超、ジョシュアも198cm 「動ける2m」か「動けるデブ」が席巻する現代のヘビー級
みんなの感想
「フューリーが転向睨みUFC戦士マクレガーと異色合体」→ボクシングに専念してくれー!頼むー!!
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
ココがポイント
- プロ無敗同士、決着付くか大注目の「ワイルダーvsフューリー2」
- 現PFPではリング誌以外ワイルダー上位だが、過去には逆のケースも
- フューリーは力・技・速さ・タフさなどボクサーの総合評価が高い
ボクシングメディアはシビアで、短い期間ごとに選手のPFPを細かく更新しています。試合で「無様な内容」「大敗・完敗」を見せてしまうと、あっという間に急落。
例えばかつてPFP1位だった「ロマゴン」ゴンサレス選手や、ヘビー級で一時は「3強」に数えられたアンディ・ルイスJr選手らも、今や相当下位になってしまいました。
世界が大注目する2月の「ワイルダーvsフューリー2」も、勝敗は無論、内容次第では再びフューリー選手が上になる可能性もあるかもしれません。