ボクシングのWBC世界スーパーフライ級王者ジェシー・ロドリゲス選手が、25日、元同級王者で現2位のベテラン、シーサケット・ソールンビサイ選手(タイ)に8回TKO勝ちし、初防衛に成功しました。
22歳と「世界最年少王者」ながら、実力の高さを証明したジェシー・ロドリゲス王者。その戦績と強さやプロフィール、動画などをまとめました。(出典:Wikipedia、各スポーツメディア)

ジェシー・ロドリゲスの戦績
ジェシー・ロドリゲス選手は今年2月、病気欠場したシーサケット選手の代役として急きょ同級王座決定戦に臨み、元世界王者クアドラス選手(メキシコ)に判定勝ちしてスーパーフライ級王者に輝いた〝シンデレラボーイ〟。
故郷の米サンアントニオに凱旋して、「仕切り直し」で強豪シーサケット選手を迎え撃ちましたが、序盤から手数とスピードで勝り、ワンツーやショートフックでしばしば相手を棒立ちに。7回には左フックでスリップ気味のダウンを奪い、8回にはロープへ詰めて20連打の猛攻を見せ、レフェリーストップとなりました。
見事な勝利で世界に名を轟かせたロドリゲス選手。その戦績や強さなどを順次見ていきましょう。

https://twitter.com/DAZNBoxing/status/1540900007427145728
プロフィール
ジェシー・ロドリゲス選手のプロフィールは以下の通りです。
本名 | ジェシー・ジェームス・ロドリゲス・フランコ | |
---|---|---|
通称 | Bam | |
出身 | テキサス州サンアントニオ | |
国籍 | アメリカ | |
誕生日・年齢 | 2000年1月20日生まれ | |
身長 | 164cm | |
リーチ | 170cm | |
アマ戦績 | 21戦19勝(3KO) 2敗 | |
プロ戦績 | 16戦16勝(11KO) 0敗 | |
デビュー | 2017-03-10 | |
経験階級 | スーパーフライ級 フライ級 | |
利き手 | 左 | |
タイプ | サウスポー | |
KO率 | 68.75% | |
入場曲 | ? | |
その他 |
ボクサーは強さをアピールするため「精密機械」「モンスター」「アサシン(暗殺者)」など〝相手が怖がりそう〟なニックネームをつける選手が多いのですが、ロドリゲス選手の「Bam」とはどういう意味なのでしょう。
Weblio英和辞典で「bam」を検索すると日本語訳が「並み以下の精神力」「悪条件などに閉口したときに発する言葉・くそっ!やめろ!など」と、どうもしっくりしません。しかしあるファンのツイートを見つけ、意味が氷解しました。
父親がBambino(幼い子供、赤ちゃん)を略して”Bam” と名付けた様です!!日本語だと坊ちゃん!!みたいなニュアンスだと思われます!!!
— Tom Kob (@Bako9687) June 26, 2022
故郷サンアントニオの地元紙がソースで、記事によると「彼は単にバムと呼ばれる。これは、生まれたときに父親が名付けたニックネームであるバンビーノの略だ」とのこと。
「bambino」はイタリア語が語源で「赤ちゃん、坊や」といった意味。恐らく幼い頃両親から呼ばれていた「坊(bam)」というあだ名をそのままリング通称にしたと思われます。

戦績
ジェシー・ロドリゲス選手の戦績は16勝(11KO)、いまだ無敗です。一覧は以下の通りです。
No, | 日にち | 結果 | 記録 | 相手 | タイプ | ラウンド、時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
16 | 2022-06-25 | 勝利 | 16–0 | Srisaket Sor Rungvisai | TKO | 8(12)1:50 | 防衛戦WBCスーパーフライ級タイトル |
15 | 2022-02-05 | 勝利 | 15–0 | カルロス・クアドラス | UD | 12 | WBCスーパーフライ級タイトルを獲得 |
14 | 2021-10-16 | 勝利 | 14–0 | ホセ・アレハンドロ・ブルゴス | KO | 4(10)、 1: 23 | |
13 | 2020-12-12 | 勝利 | 13–0 | サウル・フアレス | KO | 2(8)、 2: 05 | |
12 | 2020-09-05 | 勝利 | 12–0 | ジャニエル・リベラ | KO | 1(8)、 2: 03 | |
11 | 2020-02-29 | 勝利 | 11–0 | マルコ・サステイタ | TKO | 8(10)、 1: 10 | |
10 | 2019-07-27 | 勝利 | 10–0 | セサールガルシアトリホス | TKO | 3(10)、 2: 23 | |
9 | 2019-03-16 | 勝利 | 9–0 | ラウフ・アガエフ | TKO | 3(10)、 2: 50 | |
8 | 2018-12-01 | 勝利 | 8–0 | Josue Morales | UD | 6 | |
7 | 2018-09-30 | 勝利 | 7–0 | エドウィンレイエス | UD | 8 | |
6 | 2018-05-05 | 勝利 | 6–0 | アルマンド・バスケス | KO | 3(6)、 2: 18 | |
5 | 2018-03-09 | 勝利 | 5–0 | サンティアゴサンチェスバヤルド | TKO | 1(4)、1:33 | |
4 | 2017-11-17 | 勝利 | 4–0 | ホルヘ・モスケイラ | KO | 2(4)、 1: 22 | |
3 | 2017-06-10 | 勝利 | 3–0 | ロバート・レデスマ | UD | 4 | |
2 | 2017-04-28 | 勝利 | 2–0 | Erick Jovani Negrete | TKO | 1(4)、 1: 39 | |
1 | 2017-03-10 | 勝利 | 1–0 | マウリシオクルス | UD | 4 |
動画まとめ
以下にジェシー・ロドリゲス選手の試合公式動画をまとめてみました。
・21年のブルゴス戦(4RKO)
・今年2月のクアドラス戦(UD判定)
・25日のシーサケット戦(8RKO)
強さ・スタイル
戦績と強さを動画も交えてご紹介した若きジェシー・ロドリゲス王者。25日のテキサスでの試合は、会場で将来のライバルと目される中谷潤人選手(現WBOフライ級王者)が直に観戦し、その感想をスポニチの取材で語っています。中谷王者が見たロドリゲス選手はどんな強さだったのでしょうか。
「凄くうまいボクシングで翻弄したっていう感じです。目立ったのはうまさ。アングルを変えて攻めていくというので、ルンビサイもけっこうタフな選手ですけど、ああやってパンチをまとめてストップに持っていくのはさすがだなって」
「(戦前の予想では)勝つとは思っていましたが、しっかりノックアウトに持っていくというところはさすがだなと」
「いろんなアングルで来るので、自分の距離を保ちながら見える状況でやるか、近い距離でしっかり反応できるディフェンスを積むかといったところは、イメージしながら見ていました」
ロドリゲス選手はアマでは全米ジュニア選手権で何度も優勝するなど、非常に技術力は定評あるボクサー。色々な角度から回転速いパンチを打ちわけ防御をかいくぐる巧みさがあり、KO率も高いことからパワーも兼ね備えているといえそうです。

会見場に現れたバム・ロドリゲス。22歳にしてクアドラス、シーサケットを下し、次はチョコラティート、エストラーダが標的なのかと聞くと「フライ級に下げてタイトルを狙う方向だから」と。そこで中谷潤人選手について聞くと,,,, あとは記事化お待ち下さい。 pic.twitter.com/fFkIkKh137
— Daisuke Sugiura 杉浦大介 (@daisukesugiura) June 26, 2022
ジェシー・ロドリゲスの今後
前述のスポニチ取材に対しては、試合後にジェシー・ロドリゲス選手もコメントしています。
「(ルンビサイは)これまで対戦した中で最高の強打者だった。(事前には周りから)もともとのウエートに戻るべきだとも言われたから(Sフライ級の)レジェンドにも勝ってきたタフな選手に勝ち、そういった周囲の声が間違っていたと証明できてうれしい」
初防衛を喜びながらも、どうやら「Sフライ級はお前の適正階級ではない」と周囲からは指摘されているようです。ロドリゲス選手はこれまでのキャリアでライトフライ~フライ~Sフライ級を行き来していますが、中心だったのはフライ級。
本人も、次戦については「フライ級に下げてタイトルを狙うのが今の計画」と再び転級する考えを示しています。リングサイドで見守った中谷王者は次戦ではSフライ級に上げる考え。ロドリゲス選手も「彼は長身のサウスポー。特別な試合になるだろう」と中谷戦に興味を示しつつ、二人の方針通りだと「すれ違い」になる恐れもありそうです。

ジェシー・ロドリゲス世界の評価まとめ




出典:https://www.youtube.com/watch?v=TPidwY7gRQo
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- ジェシー・ロドリゲスがシーサケットに8RKO圧勝。超新星が強さ証明
- 戦績16戦無敗、11KOに。観戦した中谷は「角度多彩でKOできるのが凄い」
- ただ本人は次戦フライ級に戻る意向。「vs中谷」実現するかは微妙に…
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