9月に米国で初防衛戦が決まった「ネクスト井上尚弥」と期待のフライ級王者中谷潤人選手ですが、同日のメインイベントと思われるのが、WBC世界スーパーフェザー級王者オスカル・バルデス選手のタイトル戦です。
「現在の階級最強」とも呼ばれるオスカル・バルデス選手。その戦績や強さ、試合動画などをまとめました。(出典:Wikipedia、各スポーツメディア)
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オスカル・バルデスの戦績
今年2月、鮮烈・激烈なKO勝ちで見事スーパーフェザー級王者となり、二階級制覇を達成したオスカル・バルデス選手。これまでのプロ戦績は30勝(23KO)と無敗の強さです。その一覧を以下にご紹介しましょう。
日付 | 結果 | 記録 | 対戦相手 | タイプ | ラウンド、時間 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
31 | 2022-04-10 | 敗戦 | 30-1 | シャクール・スティーブンソン | UD | 12R 109-118、109-118、110-117 | WBC・WBO世界スーパーフェザー級王座統一戦 WBC王座陥落 |
30 | 2021-09-10 | 勝利 | 30-0 | ロブソン・コンセイソン | UD | 12R 117-110, 115-112 115-112 | WBCスーパーフェザー級タイトル防衛戦 どう見ても負けていました |
29 | 2021-02-20 | 勝利 | 29–0 | ミゲル・ベルチェット | KO | 10(12)、2:59 | WBCスーパーフェザー級タイトル |
28 | 2020-07-21 | 勝利 | 28–0 | ジェイソン・ベレス | TKO | 10(10)、2:23 | |
27 | 2019-11-30 | 勝利 | 27–0 | アダムロペス | TKO | 7(10)、2:53 | |
26 | 2019-06-08 | 勝利 | 26–0 | ジェイソン・サンチェス | UD | 12 | WBOフェザー級タイトル防衛戦 |
25 | 2019-02-02 | 勝利 | 25–0 | カルミネ・トマゾーネ | TKO | 7(12)、0:09 | WBOフェザー級タイトル防衛戦 |
24 | 2018-03-10 | 勝利 | 24–0 | スコット・クィッグ | UD | 12 | WBOフェザー級タイトル防衛戦 |
23 | 2017-09-22 | 勝利 | 23–0 | ジェネシスセルバニア | UD | 12 | WBOフェザー級タイトル防衛戦 |
22 | 2017-04-22 | 勝利 | 22–0 | ミゲル・マリアーガ | UD | 12 | WBOフェザー級タイトル防衛戦 |
21 | 2016-11-05 | 勝利 | 21–0 | 大沢宏晋 | TKO | 7(12)、1:50 | WBOフェザー級タイトル防衛戦 |
20 | 2016-07-23 | 勝利 | 20–0 | マティアス・ルエダ | TKO | 2(12)、2:18 | WBOフェザー級タイトルマッチ |
19 | 2016-04-09 | 勝利 | 19–0 | エフゲニー・グラドビッチ | TKO | 4(10)、2:14 | WBO-NABO フェザー級タイトルを獲得 |
18 | 2015-12-12 | 勝利 | 18–0 | アーニー・サンチェス | TKO | 3(10)、2:59 | |
17 | 2015-09-11 | 勝利 | 17–0 | クリス・アバロス | TKO | 5(10)、1:17 | |
16 | 2015-06-27 | 勝利 | 16–0 | ルーベンタマヨ | UD | 10 | |
15 | 2015-04-11 | 勝利 | 15–0 | ホセ・ラミレス | KO | 3(8)、2:05 | |
14 | 2014-12-20 | 勝利 | 14–0 | ジャン・ハビエル・ソト | TKO | 5(8)、0:02 | |
13 | 2014-11-15 | 勝利 | 13–0 | アルベルトガルサ | TKO | 7(8)、1:29 | NABFジュニアスーパーフェザー級タイトル防衛戦 |
12 | 2014-07-26 | 勝利 | 12–0 | フアン・ルイス | UD | 8 | NABFジュニアフェザー級タイトルマッチ |
11 | 2014-05-17 | 勝利 | 11–0 | ノエル・エケベリア | RTD | 6(8)、3:00 | NABFジュニアスーパーフェザー級タイトル防衛戦 |
10 | 2014-04-12 | 勝利 | 10–0 | エイドリアンペレス | KO | 3(8)、1:23 | NABFジュニア スーパーフェザー級タイトルマッチ |
9 | 2014-03-01 | 勝利 | 9–0 | サムエル・サンチェス | TKO | 3(6)、2:03 | |
8 | 2013-12-21 | 勝利 | 8–0 | クリスチャンバラハス | TKO | 1(6)、1:27 | |
7 | 2013-11-09 | 勝利 | 7–0 | イエス・ルル | TKO | 5(6)、2:48 | |
6 | 2013-09-28 | 勝利 | 6–0 | ホセ・モラレス | TKO | 3(6)、1:57 | |
5 | 2013-06-15 | 勝利 | 5–0 | ギルガルシア | TKO | 2(6)、2:32 | |
4 | 2013-05-11 | 勝利 | 4–0 | ロッコエスピノザ | TKO | 1(6)、2:58 | |
3 | 2013-03-16 | 勝利 | 3–0 | カルロス・ゴンザレス | TKO | 4(6)、0:58 | |
2 | 2012-12-07 | 勝利 | 2–0 | コーベンページ | TKO | 2(6)、2:24 | |
1 | 2012-11-03 | 勝利 | 1–0 | エンジェルプラド | TKO | 2(6)、2:59 | プロデビュー |
オスカル・バルデスのプロフィール
戦績と強さを一覧でお示しした通り、母国のボクシング大国メキシコで、また一人、新しく王者の列に連なることになったオスカル・バルデス選手。そのプロフィールを一覧にまとめました。
本名 | オスカル・ラファエル・バルデス・フィエロ |
---|---|
出身 | メキシコ ソノラ州ノガレス |
国籍 | メキシコ |
誕生日・年齢 | 1990年12月22日 |
身長 | 166cm |
リーチ | 168cm |
アマ戦績 | 36戦29勝7敗(0KO) |
プロ戦績 | 30戦29勝(23KO) 1敗 |
デビュー | 2012年11月3日 |
経験階級 | 現スーパーフェザー級 フェザー級 バンタム級 |
利き手 | 右 |
タイプ | オーソドックス |
KO率 | 79% |
その他 | アマの時に、 ロマチェンコに敗退している |
参考リンク | https://boxrec.com/en/amateurboxer/629933 |
バルデスの強さ
戦績で分かる通り、相当なハーパンチャーのオスカル・バルデス選手。166cmと小柄な体のどこにその強さがあるのでしょうか。
オーソドックスタイプのバルデス選手が得意とするパンチはボディとフック。とりわけボディブローはメキシカン特有の強烈さです。
またフックの使い方も巧み。前に出てワンツーを振り、間合いを詰めると左右フックを連打してくるファイターで、インサイドにうまく強いフックを放ち、相手がグラつくとロープに詰めて一気にストップに持ち込むのが必勝パターンになっています。
↓2月のベルチェルト戦前までの、バルデスベスト5KO集
バルデスのP4P
バルデス王者の名が一挙に世界的に有名なったのが、今年2月のベルチェルト王者(当時)とのメキシカンタイトルマッチです。この試合、2度も王者からダウンを奪いリードしたバルデス選手は、10Rに王者の右フックをかわすと体を起こしながらカウンターの左フックを一閃。ラウンド残り1秒で王者を前のめりに失神させました。
↓衝撃のベストKO動画がこちら
https://twitter.com/trboxing/status/1363349656156037126
この試合で一気にP4Pに名乗りを上げたオスカル・バルデス選手。最新のP4Pランキングをまとめました。
■ザ・リング
・スーパーフェザー級 … 2位
■ESPN
・スーパーフェザー級 … 1位
■WBN
・TOP50 … 20位
バルデスの負けた試合は?
そんな強さと無敗・超絶KO率の戦績を誇るオスカル・バルデス選手ですが、もちろんアマチュア時代には負けた試合もかなりあります。
メディアによればアマ戦績は204戦177勝27敗と、非常に豊富な経験を持っています。五輪は2度出場。わずか17歳で出場した08年北京五輪ではバンタム級で1回戦敗退。12年のロンドン五輪でもバンタム級で出場しましたが、準々決勝で敗れました。
また09年には、世界選手権にフェザー級で出場し、準決勝であのワシル・ロマチェンコ選手に負けています(大会では銅メダル獲得)。
バルデスの海外の反応・評価最新
みんなの反応
この動画の後にあったベルチェルトのKOが、今や彼のベストなわけだけど(笑)
ネットの感想
素晴らしいタイミングのカウンター。ホント好きなボクサーの一人だね
みんなの反応
昔はまだまだ発展途上だなと思っていたが、すっかり印象が変わった!バルデスは今では科学的ビーストだ!
ネットの感想
彼が相手のパンチにどのように足を踏み入れ、バランスを保つかを見てほしい。本当によく訓練されたファイターだ
みんなの反応
バルデスがタンク(=デービス)と戦うのを見たい。壮絶な試合になるだろう。あとモンスター(=井上)は言うまでもないね
出典:YouTube
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- 9月にWBC・Sフェザー級タイトル戦「王者バルデスvsコンセイカオ」
- オスカル・バルデスは2月に王者になったメキシコの2階級制覇者
- 無敗で80%の高KO率誇る強烈パンチャー。アマ時代にはロマに敗戦も
現在のスーパーフェザー級戦線を概観すると、各団体王者はWBCのバルデス選手のほか、WBAスーパーがガーボンタ・デービス(米)、WBAレギュラーがグティエレス(ベネズエラ)、WBA暫定王者コルバート、WBO王者がジャメル・ヘリング(いずれも米)の各実力派ボクサーがズラリ。
そして空位のIBFでは、8月20日、中東ドバイで同級3位の尾川堅一vs同級1位ラヒモフ(タジキスタン)の王座決定戦が予定されています。
果たしてバルデス王者はじめ、統一戦の展開が今後どうなるのか、Sフェザー級も当面注目の階級となりそうです。
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