去る4月24日、元WBC世界フライ級王者でWBOアジアパシフィックバンタム級王者の比嘉大吾選手と、無名に近いボクサー西田凌佑選手が対戦。何と西田選手が12回判定勝ちし、〝大番狂わせ〟のアジア太平洋王座獲得となりました。
ファンも驚いた西田凌佑選手の戦績や強さとは?突如ボクシング界に躍り出た「ニュースター」西田選手、今後の試合はどうなるのでしょうか。(出典:Wikipedia、各スポーツメディア)

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西田凌佑の戦績
4月に行われた、WBOアジアパシフィック・バンタム級タイトル戦「王者比嘉大吾vs西田凌佑」。戦前の大方の予想では、元世界王者で「デビュー15連続KO勝利」など輝かしい戦績を持つ比嘉王者が、キャリア浅い西田選手を実力と貫禄で圧倒するのでは、とみられていました。

ところが試合内容は真逆の展開。西田凌佑選手が比嘉王者をほぼ「完封」、素人目にも明らかな3-0の大差判定勝利を収めました。
そしてこの試合で西田選手の戦績は4勝無敗(1KO)に。何とプロたった4戦目にしてアジア太平洋王座を獲得する強さを世間に見せつけたわけです。
昨日の試合たくさんの方々の応援、サポートのお陰で勝てました。
本当にありがとうございました。そして対戦相手の比嘉選手、陣営の皆様、対戦して頂き、ありがとうございました。
たくさんのお祝いメッセージ、コメントありがとうございます!
現状に満足せず、少し休んでまた頑張ります‼︎ pic.twitter.com/sqv8v8Qlsk
— 西田 凌佑/Ryosuke Nishida (@87__boxing) April 25, 2021
西田凌佑のプロフィール
西田凌佑選手は奈良県出身の24歳。戦績わずか4戦なのに年齢では25歳の比嘉選手とほぼ同じですが、これは大学までアマチュアボクサーだったためです。
地元中学時代は陸上部で、奈良県立王寺工業高でボクシングを開始。高校時代には国体少年の部フライ級で優勝する強さを示しました。
その後近畿大に進み、ボクシング部で監督の元WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男氏の指導を受けます。そして大学卒業後、19年にプロデビュー。タイ・バンコクでの「アウェイ」な環境ながら、見事デビュー戦を1回TKO勝利で飾ります。
そしてプロ3戦目。20年に元日本バンタム級王者大森将平選手と戦い、8ラウンド判定勝利とこの時も〝まさか〟の金星を挙げ一躍注目されます。
そこから一気にアジア太平洋タイトルまで獲得、実に元「日本王者→世界王者」と連続大物食いを果たした形です。

【動画と写真】比嘉大吾、防衛ならず…試合の様子と記者会見 https://t.co/CbvKknGiqr
— 琉球新報 (@ryukyushimpo) April 25, 2021
西田凌佑の強さ
この西田凌佑選手の強さとは?なぜ「元日本、世界王者」を次々撃破できたのでしょうか。西田選手は170cmとこの階級では長身のサウスポー。3戦目まではスーパーバンタム級でしたが、比嘉戦で1階級落としたこともあり、パワーなどの優位性があります。
メディアによると、比嘉戦ではしっかりしたゲームプラン、それを実行する確かな技術と力が光りました。序盤から常に自分が得意な中間距離を保ってプレスをかけ、比嘉選手に容易に踏み込ませません。
単なるアウトボクシングではなく、比嘉選手が思いきって懐に入ってワンツーを放ってくると、逆にもっと接近し相手のパンチを減衰。超近距離のまま下から突き上げるボディアッパーなどで手数多く攻撃します。
巧みなステップワーク、フィジカルの強さ、長身を活かしたクリンチなどで比嘉選手の焦りと疲弊を誘い、終盤は動きが止まった比嘉王者に一方的にパンチを浴びせる場面も。有効打・手数・防御・態度とセンスの全てで王者を上回った試合でした。

すぐに答えを出す必要はないから。まずは心身を休ませることが大事。
防衛失敗の比嘉大吾「残念で悔しい」「すぐ答え出ない」(琉球新報) https://t.co/DNtXEM2aca
— はる3:16 (@sknsghr) April 25, 2021
西田凌佑の次の試合・今後は?
試合後、西田選手は「反省点はある。比嘉選手はプレッシャーが強くしんどかった」と謙虚に振り返りましたが、元世界王者に完勝したことで、世界ランキング入りは確実。
「大学アマ出身」のため、5戦目とはいえ次の試合で「世界挑戦」もあり得る話。名城・近大監督は6戦目で日本王者、当時国内タイ記録の8戦目で世界王者となっており、「師匠超え」の可能性は十分です。
ただ当の西田選手は「世界は最終目標。少し休んで、今後はジムが決めた試合に一つ一つ集中していきたい」と冷静に受け止めている様子。
西田凌佑選手がこれからも主戦場とするバンタム級は、PFP上位の強豪王者揃いで大変な激戦地。あと1、2戦は世界上位ランカーとの戦いを経て、力を世界にアピールすることが現実的かもしれません。

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— デイリースポーツ (@Daily_Online) April 26, 2021
西田凌佑のみんなの評価
みんなの反応
西田vs大森を観た直後に西田とヒガゴンの試合結果を知ったので「西田?誰それ」ではなく「西田やっぱ強ええな」という感想
ネットの感想
回って良し詰めて良しと何でも上手い西田。特にショートのコンビが絶品
みんなの反応
比嘉は、手数の多い長身サウスポーに対して正面突破を繰り返すだけで策がなさ過ぎた
ネットの感想
ギリギリのストッピングとか、ちょいちょい小狡いテクニックも使える。物凄いのが出てきましたね。楽しみだ
みんなの反応
派手さはないけど懐が深いし、ディフェンスは巧いし、右のリードはよく出るし、勇気あるし。で、良い選手じゃん!
出典:twitter
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- 西田凌佑が元世界王者比嘉大吾から大金星でアジア王者に
- プロわずか4戦目も見事な試合運びで3-0の判定完全勝利
- 5戦目で世界戦も?師匠の名城元王者の8戦目超えなるか
近大卒業後、プロで西田選手が門を叩いたのが現在所属の六島ジム。ジム唯一の世界王者が恩師の名城氏だった縁もあるとみられます。
そして比嘉選手に前戦でアジアパシフィック王座を奪われたのが、ジム先輩のストロング小林佑樹選手。試合後小林選手が現役を引退したため、六島ジム側が持っていた比嘉選手との再戦の権利が、同門の西田選手に回ってきたのが今回の「比嘉vs西田」戦実現の経緯だそうです。
キャリアが浅く未知の要素が多いものの、大森戦の成果もありその可能性に懸けた陣営の判断がズバリ的中。そして転がってきた大チャンスをしっかり掴み取った西田凌佑選手も「持ってる男」といえそうですね。