9月のボクシングWBCライトフライ級タイトル戦で敗れ、王座から陥落した寺地拳四朗陣営が「相手・矢吹正道選手による故意のバッティングがあった」と日本ボクシングコミッション(JBC)に質問状を提出しました。
このボクシングのバッティングとはそもそもどんな行為なのでしょうか。反則なのか、そうでないのか「線引き」を調べてみました。(出典:Wikipedia、各スポーツメディア)
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ボクシングのバッティング問題
今回の「寺地vs矢吹」戦と同じく、ボクシングではしばしば「バッティング」が物議を醸すことがあります。その理由は「故意のバッティング」が反則とされているためです。
JBC公式サイトなどによると、まずボクシングのバッティングとは「頭や肩、肘など拳以外の部分が相手に当たること」を指します。
そしてルールでは頭など拳以外の部位で攻撃する「故意のバッティング」は反則であり禁止されています。ボクシングでは両選手が正対してパンチを打ち合うため、必然的に頭が触れる可能性が高く、一般にバッティングといえば多くの場合「頭同士がぶつかること」だといえます。
反則行為のバッティングのペナルティーは?
即ち、ボクシングではバッティングはつきものでもあり「ファイトの流れで偶然頭や肩が当たる」場合は、反則にはなりません。
あくまでわざと頭突きやエルボーなどを繰り出す行為が反則とされます。この「反則バッティング」があった場合は、 レフェリーの判断により試合が中断され注意が入ります(偶然の場合でも「頭を下げるな」と注意されることがあります)。
注意を受けたのに連続で行った場合は減点となるほか、悪質な場合は「失格」とされ、そのまま試合が終了して敗れるケースもあります。
バッティングの故意と事故のライン
それではバッティングが「故意」か「偶然」か、つまり意図的な反則攻撃なのか、たまたまの事故なのかの線引きはどうなっているのでしょうか。
ボクシングルールではリング上の試合進行はレフェリーに全権があり、「一旦止める」のも「続ける」のも、反則かそうでないかもあらゆる判定はレフェリーの一存です。
つまりバッティングについても、反則・偶然はレフェリーが試合中に下す瞬時の判断次第。明確に「こういう体勢で行ったらアウト」など明文で決まっているものではないようです。
主なバッティングで問題となった試合
ではこうした反則・偶然のバッティングが問題となったり、話題になった過去の試合をいくつか挙げてみましょう。
■WBCライトフライ級世界戦「矢吹正道vs寺地拳四朗」
試合は矢吹選手が10RTKO勝利。9Rに矢吹選手の頭が寺地王者に激突、寺地選手の右目上から激しい流血となりました。これをレフェリーは「有効パンチによる出血」と判定しましたが、寺地陣営は「故意の頭突き」と反論。その前にも何度も頭突きがあったとの声もあります。
JBCでは試合のリポートを作成、映像も検証したうえで統括団体のWBCに報告し判断を仰ぐそうです。
絶対王者に勝って
世界チャンピオンなれました‼️‼️皆様のお陰です。
サポートしてくれた方
会場に来てくれた方
応援してくれた方
ありがとうございました‼️とりあえず
今目が見えないので
簡潔にさせて頂きます‼️本当にありがとうございました‼️‼️ pic.twitter.com/a7HgKjoB3W
— 矢吹正道 (@Yabukimasamichi) September 22, 2021
■WBA世界バンタム級暫定王者決定戦「エマヌエル・ロドリゲスvsゲーリー・アントニオ・ラッセル」
前IBF級王者ロドリゲス選手と実力者ラッセル選手の注目戦でしたが、なんと初回わずか16秒、偶然のバッティングでロドリゲス選手が苦悶の表情で倒れ、鼻から流血して試合中止。無判定試合となりました。
↓試合動画はこちら
■スーパーバンタム級8回戦「辰吉寿以輝vs今村和寛」
元世界王者・辰吉丈一郎氏の次男で嘱望される辰吉寿以輝選手の注目試合でしたが、2回終盤に偶然のバッティングで左目上から出血。試合続行不能と判断され引き分けとなりました。
バッティングによりドローでした。
このコロナで大変な時期に沢山の
応援ありがとうございました!!
また1から頑張ります。 pic.twitter.com/Gtgqg4EH2K— 辰吉 寿以輝 (@juiki6) November 6, 2020
■WBA世界ヘビー級タイトル戦「マイク・タイソンvs王者イベンダー・ホリフィールド」
97年のボクシング史に残る醜聞試合。タイソンが3Rに王者の右耳を噛みちぎり、さらに左耳にも噛みついて失格負け。タイソンは王者陣営に殴りかかるなど蛮行の限りを尽くしました。
ただタイソン側にも言い分があり、この試合2Rにバッティングで右目上をカットしたほか、前年の「対ホリフィールド1」でも頭を当てられ出血したことでTKO負け。相手の〝故意バッティング繰り返し〟に怒り心頭だったといわれます。
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- 寺地が矢吹のバッティングが故意だったとJBCに質問状。試合で大出血
- バッティングは偶然ならOK、故意は反則。線引きはレフェリーに一任
- 過去にロドリゲスの16秒、辰吉の無念、タイソン狂気耳噛み試合なども
ご紹介したようにボクシングのバッティングは故意・偶然紙一重。現役プロボクサーによれば、出血は精神的にもダメージが大きくなるので、長丁場の苦しい試合になればなるほど「頭突きをもらうより、先に当てる方がいい」との思いがこみ上げることもあるそうです。
命懸けでギリギリの勝負をする格闘家ならではの心理なのかもしれません。