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ボクシング

ラビットパンチの意味・由来!キドニーブローについても

このほど韓国で開催されたファン注目のボクシングマッチ「元3階級世界王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン) vs 世界ランカー赤穂亮」のスーパーバンタム級10回戦は、想定外の「無効試合」に終わりました。

カシメロ選手が赤穂選手に「ラビットパンチ」を見舞ったことなどで、赤穂選手が意識朦朧となり試合不能になったことが原因です。

そもそもこのラビットパンチとは?その意味と由来や、ボクシングの反則行為にはどんなものがあるのか、なぜ禁止されているのかなどをまとめました。(出典:Wikipedia、スポーツメディアなど)

「ラビットパンチ」=「ウサちゃんパンチ」的な可愛いもんじゃ全くないっ!!昔ミッキ・ロークの「猫パンチ」ってあったけどもww(古っ)

 

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ラビットパンチの意味・由来

ノンタイルとはいえ赤穂、カシメロ選手とも世界挑戦をにらんでの重要な戦いだったこの試合。序盤からカシメロ選手が押し気味に進んだ二回、同選手が振り回す強烈なパンチをよけようと、赤穂選手が下げた頭の後部にパンチが数発ヒット

日本の染谷レフェリーの判断と赤穂選手のアピールでストップされ、休憩になったものの赤穂選手のダメージが大きく、続行不可能でノーコンテストとなりました。

メディアでは「ラビットパンチによる無効試合」と表現されたこの試合。ラビットパンチって一体どういう意味や由来なのか、ボクシングの反則行為にはどんな種類があるのか、あらためて整理してみましょう。

ボクシングにおける反則技

プロボクシングを統括するJBCルールでは、反則行為として19項目が明記されています。禁止されている攻撃方法や、レフェリー無視、無気力、八百長などスポーツマンシップに反する行為などが具体的に定めてあり、攻撃法では「目つぶし」「頭突き」「下腹部パンチ」などが反則とされています。

その一つが「ラビットブロー」。一般には「ラビットパンチ」とも呼ばれるこの行為は、「故意に相手の後頭部を打つ」ことを示します。

名前の由来

一見可愛い表現に聞こえるラビットパンチ。しかしその由来はちょっと怖い感じです。欧米で古くから盛んな「ウサギ狩り」の際、捕まえたウサギを処理する前に、命を絶つためウサギの耳のうしろ・後頭部を叩いたり切ったりすることから、似た行為の「後頭部へのパンチ」がこう呼ばれるようになったとされます。

つまり「命にかかわる危険なパンチ」という意味でもあります。

ちなみに「猫パンチ」は、猫が目の前の物を、恐る恐るチョチョっと触る様子に例えた「弱々しいパンチ」のことです。ぜ、全然違うよ…

ラビットパンチの危険性とは

「ウサギ狩り」に由来し「危険な行為」の意味で試合で禁止されているボクシングのラビットパンチ。ラビットパンチがどれほど危険なのか、その理由や過去の事例を見てみましょう。

「赤穂vsカシメロ」は無効試合とはいえ実質カシメロが圧倒。赤穂も試合後「2Rは記憶がなくなった」「顎も骨折してた。自身のキャリア44戦で一番のダメージ」と〝完敗〟を認めてたね…

後頭部は神経が集中している

ボクシングや格闘技では、相手の顔や頭の前面、あご、頭の側部への攻撃は一般に認められていますが、後頭部・首などは禁止です。これは「生命の危険が大きい」ことが理由。

人間の後頭部から首にかけては、脳の中でも呼吸、心拍、運動などをつかさどる中枢神経が集中しています。小脳、延髄、脊髄、頸椎といった生命活動にかかわる重要な部位が集まり、ここを損傷すると死亡したり重篤な障害が残る危険があります。

このため、格闘技では厳格に「ラビットパンチ」が禁止されているわけです。

https://twitter.com/byo_mie/status/1451156322083344391

過去事例

ボクシングでは、今回の「赤穂vsカシメロ」戦以外にも、過去にラビットパンチによる悲惨な事故がありました。

最も著名な不幸な例とされるのが、95年、英国で行われたWBC世界スーパーミドル級王者ナイジェル・ベン(英)と、元ミドル級統一王者ジェラルド・マクラレン(米)の世界タイトルマッチです。

この試合、8回まで二度ダウンを奪った挑戦者が優勢に進行。勝つにはKOしかなくなった王者が10回に猛反撃、逆に二度ダウンさせ逆転KO勝ちするという劇的な展開に。

しかしマクラレンはダウン後立ち上がれず、意識不明になり病院へ搬送。脳内出血で緊急手術が施され一命は取りとめたものの、半身不随・失明という24時間看護が必要な状態になってしまい、そのまま現役引退しました。

原因はベン王者が相手にラビットパンチを度々見舞ったためとされ、本人と注意を怠ったレフェリーが非難を浴びました。

このほかこれは事故ではありませんが、19年のWBO世界スーパーフライ級王座決定戦「井岡一翔vsパリクテ」前にも、井岡陣営がパリクテ側に対し「以前の試合でラビットパンチが多かった」と、厳重に防止を申し入れるケースもありました。

キドニーブローも反則の一つ

JBCや世界のプロボクシング界で定められている反則攻撃には、このラビットパンチのほかに、当然ですが「首を絞める」「投げる」「肘打ち」「蹴る」「平手打ち」「チョップ」などもあります。

パンチの種類としては、体を一回転させて打つ「ピボットブロー」や「キドニーブロー」も禁止です。この「キドニーブロー」とは、「背中側から腎臓(キドニー)付近を打つ」こと。

ボクシングでは背中側への攻撃全般が禁止されています。これは、背面は防御ができないため打たれるとダメージが大きいこと、腎臓など重要な臓器が損傷すると「一生人工透析」など、やはり重篤な障害につながりかねないためです。

「一回転」「肘打ち」「蹴り」などは立ち技格闘技ではOKだね。ボクシングは純粋に「両手拳のみ」で戦う制約ゆえに、難易度や技術性が高いわけだなぁ

まとめ

今回の記事をまとめると以下の通りです。

要約すると...

  • 「赤穂亮vsカシメロ」は2R、カシメロのラビットパンチで赤穂が試合続行不能に
  • 後頭部への危険な「ラビットパンチ」。由来は狩りで捕ったウサギの絶命処理法
  • 過去には半身不随・失明の重篤事故も。背中攻撃のキドニーブローも危険で禁止

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