世界で最も歴史と権威ある米国のボクシング専門誌、ザ・リング(リング誌)が、このほど全階級最強ランキング「パウンドフォーパウンド(PFP)」を更新。7日にドネア選手に圧勝し3団体統一を達成した井上尚弥選手を1位に選出しました。
日本人初の大偉業とあって国内メディア、ボクシング界とファンは沸騰していますが、一方で海外では「イノウエが1位はおかしい」と一部に疑問の声も。なぜ「井上尚弥PFP1位に批判殺到」説があるのか?リング誌の決定過程や異論、ボクシングのPFP選定の難しさをまとめました。(出典:Wikipedia、スポーツメディアなど)
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井上尚弥PFP1位に世界の反応は?
6月7日行われたバンタム級3団体統一戦「井上尚弥vsドネア2」。結果は、5階級制覇のレジェンドである強豪のドネア選手から、4分余りで2度のダウンを奪った井上尚弥選手が、わずか2RでTKO勝利を収めるという衝撃的内容でした。
この試合は全米はじめ多くの国で生中継され、世界をも大変驚かせたようです。直後に世界の5大ボクシングメディアが相次いでPFPランキングを更新。中でも老舗で「ボクシングバイブル」とも称されるリング誌は、ついに「井上尚弥PFP1位」と発表しました。
世界では、井上選手のあまりの強さに感嘆と賞賛が巻き起こった一方で、一部には「1位じゃないだろ」など〝批判殺到〟説も出ている様子。実際にどうなのか、SNSの反応を見ていきましょう。
https://twitter.com/PrimeVideo_JP/status/1535502668172517377
日本人初のボクシングPFP1位に
ボクシングは17階級に体重が細分化され、それぞれで王者を決めるスポーツ。選手の安全や公平性の観点から当然なのですが「もし体重が同じだと仮定すれば誰が最強なのか?」と発案されたのがPFPです。
元来はザ・リングが、1940~60年代に圧倒的な強さでウエルター・ミドル級の頂点に君臨した「拳聖」シュガー・レイ・ロビンソンをたたえる称号として50年代に創設。89年に現在のようにランキング化されました。
日本人では、元WBCバンタム級王者山中慎介氏や元WBAスーパーフェザー級王者内山高志氏もかつてトップ10入りしていますが、1位になったのは今回の井上尚弥選手が初めてです。
https://twitter.com/ringmagazine/status/1535300499632795649
有名人の反応
ボクシングは欧米や中南米の選手層が厚い中~重量級が最も激戦階級とされ、過去ほとんどのPFP1位はそれらの階級のボクサーが選ばれました。井上選手のような軽量級から選出されるのは極めて異例です。
これに対しボクシング界の有名人たちはどう反応しているのか、SNSやメディア報道から探ってみました。
◆井上尚弥の公式談話
「1つひとつ積み上げてきたことがこうして評価されたことはボクサーとして光栄です。この栄誉に恥じないためにもまた1つモチベーションが上がりました」
◆大橋秀行(大橋ジム会長、元ミニマム級世界王者)
「生きている間に日本人の五輪金メダリスト(村田諒太)、世界ミドル級王者(竹原慎二)、そしてPFP1位(井上尚弥)を見られると思っていなかった。物事は諦めてはいけない。固定観念を決めず常に高みを、大きく希望を持っていることが大事なのだと感じた」
◆シャクール・スティーブンソン(現WBC・WBO世界スーパーフェザー級王者)
https://twitter.com/ShakurStevenson/status/1534996538266640407
◆デヴィン・ヘイニー(現ライト級4団体統一王者)
Fuck the pound 4 pound list… its a opinionated list all y’all could leave me off it! Thanks
— Devin Haney (@Realdevinhaney) June 10, 2022
https://twitter.com/Realdevinhaney/status/1535306551380025344
一般人の反応
では一般の日本のファンはどうみているのか、SNSからご紹介しましょう。
引用:https://twitter.com/mattsun_23/status/1535643413722599425
引用:https://twitter.com/uki6615/status/1535639479569895425
引用:https://twitter.com/takawo22222/status/1535623932254257152
引用:https://twitter.com/RyoSata/status/1535620751289888769
リング誌も割れて悩んだ1位
このように「井上尚弥PFP1位」に世界から「賞賛と批判」殺到なリング誌の最新PFPランキングですが、そもそもPFPとは、実際に試合では決められない、いわば仮想の産物。有識者が自分なりの分析と判断で考える順序だけに、どんなランキングでも異論が出るのは仕方ない面があります。
実際に今回の最新ランク決めでも、各メディア内部では相当激しい議論が行われたようです。各誌の決定過程報道から、編集者たちの悩みぶりをご紹介しましょう。
◆ザ・リング
ザ・リングでは、9人の有識者パネリストの投票により毎月ランキングを決定。賛否の主な意見は以下の通りでした。
・グレイ氏「ドネア戦は虐殺のよう。私たちは井上の勝利を予測していたが、ここまでの一方的な結果は予想できなかった。これは1位に値する」
・ウェインライト氏「誰も過去ドネアにこんな勝ち方をしたことがない。もしウシクがジョシュア再戦で強い印象を与えたり、クロフォードとスペンスが戦えばその勝者が1位になるかもしれないが、今は井上だ」
・杉浦氏とモリージャ氏「井上が最高のファイター」「『速い』『狡猾』『いつも素晴らしくシャープ』は現時点では控えめな表現だ」
・モンテロ氏「井上は疑いない強さだが、彼の功績はウシクの上にはいかない。少なくとも今はまだ」
・マルカヘイ氏「私がまだウシクを井上より上に置いているのは、ウシクが敵地に乗り込みジョシュアを破ったからだ」
最終的に井上・ウシクの支持票は4対4のイーブンとなり、最後の1票をフィッシャー編集長が「井上のパフォーマンスはセンセーショナルで完璧だった。実際、1位は井上・ウシクどちらでも問題ない」と井上選手に投じたそうです。
◆ESPN
ESPNは16人のパネリストが投票で決定。今回井上選手はクロフォード選手に次いで2位のままでしたが、その差は前回の40票から10票に縮小しました。主な意見は以下の通りです。
・コッピンガー記者「井上は何年もの間、カネロに次ぐ私のリストの2位だった。しかし今回ドネアをこんな簡単に倒すとは、彼は思っていただけのファイターではない。まだ29歳だしさらに良くなる」
・ベイビー記者「私は階級を上げ4団体を統一したボクサーこそ偉大だと思う。井上はまだ3団体。彼がそうなればPFPのトップに立つ資格を得るが、今はまだだ」
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- リング誌PFP1位に日本人初の井上尚弥。世界からは賞賛の一方批判も?
- シャクール、ヘイニー「4団体統一王者が低いのはおかしい!」と疑問
- リング誌内部でも激論。投票は4対4の同数。最後に編集長が井上支持